■퍼펙트 게임 「パーフェクト・ゲーム」 2011年 〇〇〇〇-
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2011年、150万を超える観客を動員したスポーツ映画(年間28位)。
同年に亡くなったチェ・ドンウォン氏の追悼作品とも呼べる映画だ。
韓国プロ野球の黎明期を背景に、무쇠팔(鉄腕)、故チェ・ドンウォン
(釜山ロッテ)とソン・ドンヨル(光州ヘテ、現起亜)の「伝説の対決」
(1987年5月)を軸に描いている。
その夜、プサンのサジク(社稷)球場で、両エースは、大小の怪我の
痛みをこらえながら、2対2の同点のまま、15回終了(引き分け)
まで、2人で投げ抜いた。
●映画「パーフェクト・ゲーム」のエンディングソング
埋めがたい感情的対立を抱える慶尚道と全羅道の代理戦争的な様相
さえ帯びた、いわくつきの対決ではあったが、2人の男の鬼気迫る魂の
投げ合いが、両地域ばかりか、全国の野球ファンの心を大きな感動の
渦の中で一つにした。
△試合終了後、握手する両エース。チェはソンより4歳年上。(映画より)
あまり期待せずに見た映画ではあったが、実に見ごたえのある映画
だった。
なお、故チェ投手は、後に、劣悪だった韓国のプロ野球選手全体の
待遇改善のため選手会を結成しようとしてロッテから追い出され、
他球団(大邱サムスン)に移籍させられた。
さらに、引退後、民主派陣営から政界に進出しようとして挫折する
など、人気スポーツ人としては異色の道を歩んだ。
△背番号「11」はロッテ・ジャイアンツの永久欠番(映画より)
それでも、故チェ投手のロッテ時代の背番号「11」は、ロッテの
永久欠番になった。
球団との確執は別にして、背番号「11」は、釜山、そして韓国の
野球ファンの心の中に、永遠なる「부산의 자존심/釜山のプライド」
として鮮明に刻印されているのである。
この映画を見て、何だか無性(むしょう)にサジク球場でロッテ戦を
観戦したくなった「ヲタク」である。
近い将来、是非、実現させたいものである。
(終わり)