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韓映画と少年非行の闇

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박화영  「(直)パク・ファヨン」 2017年 〇〇〇--
(521)



2018年に公開された社会派のインディーズ映画。青少年の非行問題を
テーマに描いた作品だが、成人(19歳以上)指定された問題作である。

主人公は、一人親の母親から、アパートと不定期に振り込まれる
生活費だけを与えられ、一人暮らしする女子高生の「パク・ファヨン」。
ただし、高校は不登校中。

彼女のアパートには、同世代の非行少年や家出少女らが入りびたり、
いわゆる非行の巣窟と化している。



彼らはすでに、少女を使った美人局(つつもたせ)で客から金銭を
奪ったり、少女の使用済みパンティーをネット上で販売したりと、
犯罪にも手を染めている。

切ないのは、母親から育児放棄された主人公が、アパートに出入り
する少年少女らに、自分のことを「オンマ(お母さん)」と呼ばせて
いることだった。

それはまるで、母親の愛情が欠乏しているがゆえにできた心の空洞を、
自らが母親を演じ、他人に厚意を施すことで、埋めようとでもして
いるかのようだった。

そんな彼女の口癖が、「니들은 나 없으면 어쩔 뻔 봤나?」
(お前たちは、私がいなかったら、どうなってたと思うの?)。

しかし、そんな主人公が、ついには、「子ども」である少年少女の
犯した殺人の罪まで一人で被ってしまうことになる・・・。

数年後、彼女は、同じアパートで別の少年少女たちを相手に、以前と
同じように「オンマ」の役を演じ続けていた。

この映画では、主人公の母親の無責任な姿のみならず、少女の性を
お金で買う父親世代の大人たちの醜悪な姿も描かれている。

青少年の非行は、大人社会の産物でもあるのだ。



(終わり)



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