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韓映画と韓流オバサン

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경주  「(直)慶州」 2014年  〇〇〇--
(543)



2014年公開のインディーズ映画。中国朝鮮族、チャン・リュル監督の
作品だ。

主人公は、中国の有名大学で中朝関係史を教えている韓国人の若手
政治学者。ただし、彼の学問に対する情熱は冷めていて、中国人の
妻との関係にも倦怠感を抱いている。


△慶州の観光案内所で中国人に間違われ、中国語で応える主人公(映画より)

先輩の葬儀のため韓国に一時帰国した主人公だが、7年前、先輩と
いっしょに慶州で目にした春画のことを思い出し、予定にはなかった
慶州行きを決める。


△ソウルにとんぼ返りする昔の彼女を駅まで送った男(映画より)

そして、昔、妊娠までさせたことのある元の彼女(現在は人妻)を
慶州に呼び出し、見送ったかと思えば、今度は、慶州で出会った
民俗茶屋の女主人(未亡人)といい感じになり、酒を飲んだ後、彼女の
アパートにまで、のこのこついていく。

しかし、寝室のドアを半開きのままにした彼女の気持ちには応える
ことなく、彼女には指1本触れることなくソファで寝た。


△古墳の見える女主人のアパートを訪ねた男(映画より)

主人公は、女性の心に入り込む不思議な魅力を持つ男のようだが、
昔の彼女に言わせれば、「何ごとにも責任を取らない男」。

最後は、妻を呼び出した男に激怒し、男を懲らしめるため慶州に
まで乗り込んだ昔の彼女の夫に見つからないよう、あわてて慶州の
街外れに身を隠す…。

何ともしまらない結末だった。

ただし、映画には、自死との親和性や主人公の心の病を暗示する
ような、不可解なシーン(物語の展開と矛盾する本人の心象風景)も
付け加わっていたので、もやもやとした余韻が残った。

ところで、この映画には慶州を観光する日本の韓流好きオバサン
2人組が登場した。


△男を俳優と間違えた日本の韓流オバサン(映画)

慶州の民俗茶屋で、男を韓流俳優と勘違いし、記念撮影した後、1人の
オバサンが、唐突に、日本の過去の過ちについて謝罪し始めた。


△韓流オバサンの唐突な謝罪に「納豆が大好きだ」と答えた男(映画より)

男は、日本語も話せるくせに(電話でヤノさんと流暢な日本語で
話すシーンがある)、謝罪する韓流オバサンに対し、韓国語で
「僕は日本の納豆が大好きです」(実際に慶州にまでパックの
納豆を持ち込んでいたほど)と答える。

女主人は通訳に困り、「過去を忘れないことも大切だが、未来の
方がもっと大切だ」と日本語で語り、上手にその場を取り繕った。

印象に残るシーンだった。


(終わり)


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