■봄날은 간다 「春の日は過ぎゆく」 〇〇---
(552)
2001年、韓国で最も権威のある映画賞である青龍映画賞で、最優秀
作品賞を受賞した作品。
俗っぽい言い方をしてしまえば、この映画に登場する女性主人公は
非常に美しい女性ではあるが、かなりの悪女である。
△主人公を演じた女優はイ・ヨンエ
彼女は、江原道の地方ラジオ局でアナウンサー兼PDをしている。
バツイチの一人暮らし。得意料理はインスタントラーメンで、
キムチの漬け方もしらない、というから、元来、家庭向きの
女性ではないのだろう。
仕事で出会った年下の男(トンセン)と恋愛を楽しむかと思えば、
結婚を意識し始めた彼と気持ちのずれを感じ始め、別の男を作る。
年下男にばれないように二股を試みるが、それが難しいと見るや、
年下男をいとも簡単に切り捨ててしまう。
年下男は彼女への未練が絶ち切れず、無様な醜態をさらしながらも、
何とか失恋の痛手から立ち直っていく。
それからしばらくして、ふとしたはずみに年下男のことを思い出した
彼女は、気の向くまま、以前と変わらない美しく魅力的な姿で年下男の
元を訪れ、よりを戻そうとする。
△2人の別れのシーン(映画より)
しかし、今度は年下男にふられてしまうが、彼女は、何事も
なかったかのように、笑いながら彼に握手を求め、立ち去る。
実に虚無的な恋愛ドラマであった。
なお、この映画からは、2つの名セリフ(流行語)が生まれ、以後、
韓国語の中に定着した。
①라면 먹을래요?(ラーメンでも食べて行く?)
主人公女性が、車で送ってくれた年下男をアパートに誘う時に
言った言葉。
②버스하고 여자는 떠나면 잡는게 아니란다.
(バスと女は、去ったら追うもんじゃないって言うよ。)
失恋後、沈んだ表情で縁側に腰掛けていた年下男に、祖母が
かけた言葉。
■밤치기 「(直)夜打ち」 2018年 -----
(551)
2017年のプサン国際映画祭で上演された独立映画。
独立映画を作る若い女性が、シナリオ作りの参考のために一人の
年上男性に謝礼を払い取材を始める。
△男性に自慰やセックス、初体験などについて質問する女性監督(映画より)
実は、その取材は彼女が男性に近づくための口実で、最終的に
彼女は男性に告白するが、ふられてしまう。
2人のアラサー男女の会話を盗み聞きしているようで、韓国語の
いい勉強にはなったが、映画自体には全く共感できなかった。
独立映画とは言え、何とも変わった映画であった。
(終わり)
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韓映画と悪女と名セリフ
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