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韓国映画と少年鑑別所

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■영주  「(直)ヨンジュ」 2018年  〇〇〇--
(557)



2018年11月に公開されたインディーズ映画。

中学生の頃、両親を交通事故で失い、弟と2人で暮らしている18歳の
ヨンジュが主人公。

彼女は高校進学をあきらめ、アルバイトをしながら弟を育ててきた。

仲良く暮らしてきた2人だが、思春期を迎えた弟が非行に走り始め、
2人の生活は危機を迎える。

弟が起こした事件の和解金の準備で窮地に陥った彼女は、両親を
死亡させた事故の加害者が営む豆腐店の店員となり、お金を奪う
計画を立てる。

しかし、彼女は店員として働きながら、事故の後遺症で植物人間と
化した一人息子を抱え、事故に対する重い罪の意識に苦しみながら
生きる中年男と妻の姿を目にすることになった。

主人公は、思いもよらず、自分に救いの手まで差し伸べ、まるで
我が子のように接してくれる夫婦から、これまで感じたことのなかった
人の優しさや安心感を感じていく。

夫婦は、彼女に高卒認定試験の受験に向けた援助まで申し出てくれた。

そしてある日、彼女は夫婦にそれまでのうそを謝罪し、自分が事故の
被害者の遺児であることを正直に告白する。

ところが、その告白に衝撃を受け、さらに苦悩を深めていく夫婦の
姿を見て、いたたまれなくなった彼女は夫婦の元を去ってしまう。

映画は、そこで終わる。

「ヲタク」としては、たとえわずかでもいいから、明るい展望を
予感させてくれるようなラストシーンが欲しかったところでは
あるが、そこはこの映画を見た者の想像力で補うしかないという
ことか。


△少年鑑別所から弟の件で主人公の元に届いたメール(映画より)

なお、この映画で印象に残った韓国語が「분류심사원(分類審査院)」
なる施設名。

以前は、日本語の漢字語と同じく「감별소(鑑別所)」と呼ばれて
いた施設だ。





(終わり)


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