■7월32일 「7月32日」 2010年 〇〇〇〇-
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2010年に公開された独立映画。
プサンを舞台にプサン方言で表現された映画の中で、この映画ほど
陰惨な内容の映画は見たことがない。
主人公は、やくざな男ながら、幼い1人娘には誰にも負けない愛情を
注いでいる男。
ある日、刑事に追われ、1日だけと娘を売春宿の知り合いの女性に
預ける。
娘は、宿にかかる日めくりカレンダーの7月31日を見て、幼心に
明日の32日になれば、きっと、やさしいアッパ(お父さん)が自分を
迎えに来てくれると信じた。
しかし、男は激しい乱闘の末、警察に逮捕されてしまい、長い懲役を
務めることになってしまう。
男との乱闘で片足に障害を負ったことで生活が荒み、警察をやめた
元刑事は、男への復讐のため、娘を誘拐し、ある小さな漁港の売春
喫茶に売り飛ばしてしまう。
△多大浦行きの96番バスに乗った主人公(映画より)
10年以上の時間が流れ、男が出所したころ、娘はまだ未成年ながら、
前借金(元刑事が娘を売って受け取ったお金)を返すために体を
売る年若い売春婦になっていた。
さらに娘は、子宮頸がんまで患っている。
△父親と娘に明日などなかった(映画より)
娘は、父親が自分を売ったと誤解したまま、父親への深い恨みを
抱いたまま、最後の最後、それとも知らず、自分を売った元刑事に
犯されながら、絶望の中、息を引き取る。
父親が探し当てた娘は、すでに冷たくなっていた。
この父娘には、最初から明日などなかったのだ。
それはちょうど、どのカレンダーにも「7月32日」が存在しないのと
同じように…。
彼女を理解し愛する男に出会えたのは唯一の救いだったが、その彼も、
元刑事を道ずれに崖から転落し死んでしまう。
非常に暗い映画であった。
それでも、「ヲタク」の中に強烈な印象を残した映画ではあった。
それはおそらく、「ヲタク」の中にも眠っている、訪れなかった小さな
「7月32日」の数々が、ずきずき、うずき始めたからに違いない。
(終わり)
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韓映画と釜山残酷物語
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