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韓国映画とゲイの弟

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분장  「扮装」 2017年 〇〇〇〇-
(736)



2017年に公開されたインディーズ系映画。

主人公は、売れない舞台俳優。

その彼が、人気劇団のオーデションに合格し、ニューハーフ役の
主役に大抜擢される。

軽い気持ちで舞台に臨んだ彼だったが、役柄や演技を通じ、徐々に
性的少数者たちの苦悩に共感を感じるようになっていく。


△性的少数者を演じることになった主人公(映画より)

ところが、そんなある日、弟のアパートを訪ねた彼は、偶然、弟と
親友が繰り広げる男同士の情事を窓の外から目撃してしまい、大きな
衝撃を受ける。

親友からカミングアウトされたばかりの彼だったが、弟がゲイである
ことまでは全く知らずにいたのだった。

そして、2人の関係をどうしても認めることができなかった主人公は、
嫌悪感に駆られ2人に激しい暴行を加えてしまう。弟は、その時負った
怪我のせいで、目標にしていた舞踊コンクールに出場できなくなった。

演劇は大ヒットし、主人公は一躍、世間の注目を集める俳優となるが、
弟は、彼のことを「偽善者」と激しく罵(ののし)る。


△演劇のヒットとともに深まった主人公の苦悩(映画より)

映画は、深い自己矛盾に陥り、さらに弟の大切な未来まで奪って
しまった主人公が、公演最終日の舞台の上で手首を切って自殺する
シーンで終わる。

ただし、手首からは本物の血が流れていたので、本当に自殺した
可能性もある。

はたして、彼は2人の関係を拒絶したまま自己嫌悪の中に死んで
行ったのか?はたまた、本物の血を流すくらいに厳しい自分
自身との闘い-演劇-を通じて、新しい自分にたどりついたのか?

そのことを見る者が自分自身に問え、とでも言わんばかりに、
映画は中途半端な結末のまま、静かな余韻を残して終わった。



(終わり)


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