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韓国映画とパスパ文字

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나랏말싸미  「くにのことば・王の文字」 2019年 〇〇〇〇-
(764)



2019年に公開され、90万を超える観客を動員した異色の時代劇。

ハングル創製にまつわる秘められた歴史を、民族主義を排した、
より広がりのある観点から描いた空想科学時代劇だ。


△諺文(ハングル)を創出することになる僧侶たち(映画より)

この映画では、世宗王の命を受け、真にハングル創製を担った
知識人集団を、歴史に名を残した儒学者たちではなく、当時、迫害
されていた僧侶たちだったとしている。


△ハングル創製の際、参考にされたパスパ文字(映画より)

彼らは、釈迦の教えを深く学び取る過程で、漢字のみならず、表音
文字であるサンスクリット文字やチベット文字、パスパ文字を
習得していた。

世宗は、表音文字に関する彼らの該博な知識に着目し、朝鮮語の
音を表すに適した、より単純な表音文字を創出させる。


△パスパ文字などを参考に創出された画期的な新文字(映画より)

現在、韓国社会で一般に信じられている民族主義的な定説、つまり
朝鮮民族による純粋発明品としてのハングル創造の歴史とは、全く
異なる観点から描かれた、冒険的で刺激的な映画であった。

この映画は決して史実を描いた映画ではないが、ハングル創製の
歴史やハングルの原理に関心のある人には、頭の体操にもなる、
お勧めの娯楽作品と言えよう。


(終わり)


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