10月28日、日本の産経新聞が、東京都教組を批判する
記事を配信した。
何でも、東京都教組が、内部資料を通じ、竹島を日本の
「固有領土」とする政府見解について「歴史的な根拠が
ない」として批判したとのこと。
竹島問題に関しては「無主地先占論」に近い考え方をして
いる「ヲタク」から見れば、竹島の日本固有領土説(政府
見解)に対する都教組の批判は、しごくもっともなものであり、
「ヲタク」自身は都教組の見解を支持する立場だ。
△「オレだって支持している」
ところで、その報道を受け、都教組の見解が自国に有利だと
見た韓国各紙は、都教組の見解の一部を都合よく解釈し、
大々的に韓国に紹介する報道を行った。
以下、関連報道の見出しを5本、紹介しておく。
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■도쿄 교직원 노조 “‘독도는 일본 땅’ 근거 없다”
東京都教組、「竹島は日本の領土」に根拠なし
(KBS 10月28日)
■日 선생님들 "독도 일본땅 근거 없다"
日本の教師ら、「竹島は日本の領土」に根拠なし
(韓国日報 10月28日)
■日도쿄도 교원노조 “독도는 일본 땅 아니다”
日本、東京都教組、「竹島は日本の領土ではない」
(東亜日報社説 10月29日)
■“독도, 일본 영토 아니다” 말한 日 교원노조
[社説]「竹島は日本領ではない」と語った日本の教職員組合
(毎日新聞社説 10月29日)
■도쿄 교원노조 “독도, 일본 땅 아니다”
東京都教組、「竹島は日本領ではない」
(中央日報 10月29日)
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誤報とも取れるような報道の流れはもちろん、例によって
竹島問題をめぐり、自国に都合の悪い事実を一切伝えようと
しない韓国各紙の記事がいただけないのは当然のこと
として、それ以上に「ヲタク」が腹立たしく、かつ、情けなく
思うのが、産経新聞の都教組批判である。
そもそも、領土問題に限らず、自国の政府見解を絶対視し、
一方的に子どもに注入するするような社会科教育など、
百害あって一利なし、だと思うのは「ヲタク」だけだろうか?
政府見解の一方的宣伝・注入など、独裁国家ならいざ
知らず、少なくとも「国民主権」(最高決定者は国民)を謳う
民主主義国家が、教育の場で行うことではない。
「ヲタク」が思うに、教育において大切なのは、あくまで
客観的な事実に基づき、真実を追求しようとする姿勢を、
未来の主権者である子どもたちの中に育ててあげる
ことだろう。
特に、領土問題においては、自国政府の見解を信奉し
絶対視するような教育では、紛争相手国との感情的な対立を
激化させるだけで、むしろ逆効果だ。
たとえそれが、一見、自国に不利なことであったとしても、
歴史的・地理的な事実や人類普遍の正義には従うべき
だとする、敵対し合うナショナリズムを止揚するような
価値観や理性重視の姿勢が紛争関係国の国民の間に
広がらなければ、どんな領土問題も、平和的解決には
たどりつけない。
極端な話、自国の領土政策が間違っていることがわかった
場合は、潔(いさぎよ)く自国の非を認め、「領土」を手放す
くらいの覚悟だって必要なのだ。
竹島問題についても、客観的に見て、竹島を手放すことが、
もし、日本の名誉や正義であるならば、むしろ喜んで手放す
くらいの覚悟が必要だ。
それくらいの覚悟や信念がなければ、韓国人に対して、
独島(竹島)を手放すことが、韓国の名誉や正義につながる
ことだってあり得ることを説くなんて、到底、できない。
産経新聞には、是非、韓国の国定教科書もどきの
「国粋的」社会科教科書を擁護したり、教職員組合を
バッシングするような報道を行うのではなく、竹島問題を
めぐる歴史的・地理的事実や国家としての正義のあり方を
日韓両国の国民とともに考え、ともに解決への道筋を
さぐるような報道をリードして行ってほしいものである。
△「竹島問題について熱く語る
中年男って、やっぱり素敵ですよね・・・。
うふ」
(終わり)