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韓国の短編映画に感動

어떤 관계  「ある関係」 〇〇〇〇〇
(1314)

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2020年に公開されたインディーズ系の映画。親子の
絆を中心に(3本)、人と人との関係を共通テーマに
作られた5本の短編作品からなるオムニバス。

全体的に非常に見ごたえのある映画だったが、
中でも、1組の母娘の姿を描いた作品「아리」
(※ヒヨコの名前)に最も強く心を打たれた。

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△母親の胸には十字架のネックレス<映画より>

片足に障がいを持つ母親が、1人娘を連れ、自分の
育った町を訪れる。

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△母親のカバンの中には농약(農薬)が<映画より>

その町には、自分を育ててくれたカトリック系の
児童養護施設があった。

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△ロケ地は、修道女会が運営する実在の児童養護施設<映画より>

母親はソウルでの生活に行きづまり、思い悩んだ末、
1人娘を施設に預け、その後、自分は農薬を飲んで
自死するつもりだった。

しかし、母親は、その町で幼かった頃の自分(幻覚
として現れた思い出の中の自分)と再会したことで、
心が揺れ始める。

そして、母親は幻覚に導かれるように思い出の
つまった場所を娘と彷徨(さまよ)い歩く。

やがて母親は、「大きくなったらお母さんの
足を直してあげる」と語る娘をしっかり抱きしめ
ながら、もう一度、2人で生きて行く意欲を取り戻し、
夕暮れの中、町を後にする。

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△町を後にする母と娘<映画より>

母娘を包み込む夕暮れは、まるで2人の厳しい
前途を暗示しているかのようだった。

それでも、明けない夜はないのだ。

短いながらも、カタルシスのある、実にいい
作品を見させてもらった。

短編作品にこれほど強く涙腺を刺激されたのは、
この映画が初めてかもしれない。


(終わり)

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