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韓国映画と弟夫と兄夫

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■세자매  「3姉妹」 〇〇〇〇-
(1368)



2021年1月に公開されたインディーズ系の家族ドラマ。

主人公はプサンで生まれ育った3女1男兄弟の3姉妹。
3姉妹は、現在、それぞれの幸福と不幸を抱えながら、
肩を寄せ合うようにソウルで暮らしている。


△教会で執事を務める次女が手にする「十一租」献金袋<映画より>

4人兄弟の心には、暴君のような父親の惨い暴力に
耐えながら育った生育期の記憶が、深い傷として
残っている。


△次女と長女の外食の場にチラッとチャジャン麺(奥)が登場<映画より>

ある日、3姉妹は父親の誕生日を祝うため、そろって
プサンに帰郷する。しかし、牧師を招いて開かれたその
宴席で、末っ子の長男が父親に向かって放尿し、お祝いの
場を台無しにする。

今は教会で長老も務めている父親の偽善に対する、
彼なりの復讐だった。

牧師に謝罪する父親に対して、兄弟のリーダー格の
次女が、「家族に謝罪しろ」と涙ながらに詰め寄る。


△長男の放尿で大混乱に陥った父親の誕生日祝い<映画より>

年老いた父親は、怒ることも謝罪することもせず、
ただ宴会場の分厚い窓ガラスに何度も額を打ち付け、
真っ赤な血を流す。

明確な幸福も破滅もない家族のドタバタ劇だったが、
3女1男兄弟の絆(きずな)の強さに、じわっと
心が温められるような映画だった。

なお、この映画にはプサン方言のみならず、「제부(弟夫)」<姉が妹の夫を呼ぶ呼称>や「형부(兄夫)」
<妹が姉の夫を呼ぶ呼称>、「서방(書房)」<婿などに
対する呼称>など、「ヲタク」にもなじみ深い親族呼称が
登場し、見ていて背中がむず痒くなるような感情まで
抱かされた。

なぜなら、プサン出身の韓国人妻(故人を含み2男3女
兄弟の次女)を持つ「ヲタク」自身が、「弟夫」であり
「兄夫」であり「書房」でもあるからだ。


(終わり)

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