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現代史とチャジャン麺

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「ヲタク」こだわりのチャジャン麺(韓国式ジャージャー麺)。

今回のワンシーンは、2017年末に公開された社会派映画
1987、ある闘いの真実」(鑑賞番号89)から。
大統領直接公選制を勝ち取り、韓国現代史の大きな転換点と
なった1987年の政治状況を背景に、運動家や学生、検事など各個人の生き様に焦点をあて、民主革命の実相を多面的に
描いた実録風のヒット作だ。


△検事の元にチャジャン麺を届ける配達夫<映画より>

この映画では、日ごろから軍事政権のやり方(スパイ
事件のでっち上げなど)を批判的に見ていた1人の
検事が、職場でチャジャン麺の出前を取るシーンが
登場した。

時計は午後8時前を指していたので、おそらく夕食代わり
だったのだろう。


△チャジャン麺を食べようとして邪魔される検事<映画より>

ただし、拷問死させた学生の遺体の処理(火葬)を急ぐ
治安本部の公安刑事らが処理の許可を求め、急に入室し、
食事は一旦、中断させられる。


△チャジャン麺が伸びる間に歴史が動く<映画より>

そして、検事が職をかけて刑事らの要請(学生の
拷問死を闇から闇に葬ること)を拒否し、逆に遺体の
検死を命じる令状を作成する間に、チャジャン麺は
すっかり伸びきってしまう。


△「くそ、麺が伸びてしまったじゃないか」<映画より>

検事はこの事件の処理にかたを付けた後、関連記録を
新聞記者にリークするとともに職を辞する。

あくまで映画の中での話だが、1杯のチャジャン麺の
麺が伸びる間に、1人の検事の人生が変わり、同時に
韓国現代史の歯車が大きく動き始めたことになる。

そう考えると、なかなか隅に置けないのがチャジャン
麺である。


(終わり)

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