3人の短距離選手

■스프린터 「スプリンター」 〇〇〇〇－
（１８８５）



2023年に公開されたヒューマンなスポーツドラマ。

陸上男子100ｍ国家代表（3人）を選抜する1次と2次の競技大会に
出場した3人のアスリートたちを主人公に、彼らが人として背負う全く
異なる背景をオムニバス風に描いた作品。

実業団に所属している20代のエース格の選手は、様々なプレッシャーから、
いつしか薬物に頼るようになっていた。大会では１次2次とも1位になった
ものの、抜き打ちのドーピング検査を拒否したことで疑惑が表面化し、
選手生命の危機に陥る。一旦、アメリカに逃避することにしたが、先行きは不透明。

妻の愛情に支えられながら、国家代表への返り咲きを目指し、ストイックに
トレーニングに励んできた30代の選手は、1次2次とも4位に終わり、おそらく
この大会を最後に引退を決める。（物語の展開から繰り上げでアジア大会に
出場するチャンスがめぐってくる可能性もあるが・・。）


△一途に陸上に打ち込んできた男がトラックに別れを告げる時が来た

前途有望ながら伸び悩んでいた高校3年生の選手は、卒業を前に陸上の
世界で生きていく覚悟を決め、懸命なトレーニングに励んだ結果、1次
2次とも3位を占め、国家代表としてアジア大会に出場する切符をつかむ。


△快挙を達成してくれた教え子に感謝しつつも複雑な思いで夜道を歩くコーチ

しかし、自らも元国家代表だった彼のコーチは、彼の指導を継続した
ために、結果的に正規職への就職のチャンスを逃し、不安定な非正規の
高校陸上部コーチ職を続けることになった。

韓国ではマイナーな競技であるトラック競技やそのアスリート、また
関係者たちへの愛情が感じられる、なかなか見ごたえのある映画だった。


（終わり）