目下、韓国政治の最大関心事は年末に迫った大統領選挙の
行方だ。
「ヲタク」が見るに、李明博(イ・ミョンバク)現大統領は、
次期大統領選に何らの影響力を行使することもできず、
いわば「蚊帳の外」状態である。
現政権下で絶大なる権勢を誇ったとされる実兄の元国会
議員も、すでに汚職容疑で逮捕・起訴され、派閥もほぼ
解消状態だ。
政権末期のレームダック(指導力低下)状態と言う表現も
あるが、もはや、存在感すら失いつつあるのが現大統領の
置かれた状況だ。
だから、8月10日に行われた大統領による電撃的独島
(日本名「竹島」)訪問も、せいぜい存在感のアピール
程度にとどまるしかない、と「ヲタク」は見ていた。
すでに独島には多くの国民が当たり前のように「観光旅行」で
訪れているし、独島訪問自体は全く目新しい話題ではない。
大統領という立場での訪問が外交的に持つ意味は
非常に大きいとは言え、日本との関係が多少ぎくしゃく
しようが国民にとっては大した関心事にもならない。
それにしても、である。
△8月10日、ネイバー・ニュースアクセスランキング「全体」より
8月10日のネイバー(韓国を代表するポータルサイト)・
ニュースアクセスランキング(全体)の上位50に、大統領の
独島訪問関連の記事が1本も入らなかったとは・・・。
正直、この結果には、我が目を疑った。
もちろん、政治ジャンルでは大統領の独島訪問関連の
記事が1〜3位を占め、上位30に13本の関連記事が
ランクインしていたが、全体ではロンドン五輪関連の
話題に完全に埋没してしまった格好だ。
全体上位50の内訳を見ると、ロンドン五輪関連の記事が
34本と圧倒的に多く、以下、国内プロ野球関連の記事が
10本、欧州サッカーリーグ(韓国人選手)の話題が4本、
日本プロ野球(オリックスのイ・デホ選手)関連と芸能人
(ミスAのスジ)関連の記事がそれぞれ1本づつ。
ちなみに50位の記事は、プロ野球KIA−ロッテ戦の
雨天中止を報じた記事。
インターネット利用者がいくら若者中心とは言え、現在
リーグで3位と5位のプロ野球チームの試合が雨天中止に
なったことを伝える記事が、大統領の独島訪問関連の
記事より多くのアクセスを集めた事実は、けっこう重い。
少なくとも韓国のインターネット利用者にとって、大統領の
独島訪問は、大したインパクトを持つ話題ではなかったと
いうことだ。
関連記事が多くアクセスが分散したきらいも否定は
できないが、インターネット上のアクセスランキングを見る
限り、李大統領は、独島電撃訪問を持ってしても
存在感を発揮することには失敗したようだ。
(終わり)
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