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ロシア人と障がい者と

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2017年夏のプサン訪問では、非常に珍しい経験をした。


△プサン駅前の食堂「のり巻き天国」

ある夜のプサン駅前の食堂での出来事だった。

ここで食べたトンカツについては、すでに報告済みだ。
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その夜、「ヲタク」が店に入った時、1人の先客がいて、見ると
妙齢の白人女性が右手奥のテーブル席で食事していた。

何の下心もなかった「ヲタク」だが、とりあえず、彼女が視界に
入る位置には座った。

彼女は、時々、自分が食べているミルミョン(冷麺の一種)を
スマホ(カメラ)で撮りながら、耳にはイヤホンをさし、いわゆる
ビデオ通話を楽しんでいた。

彼女の話す言葉はロシア語だった。

そうこうしていると、今度は地元の韓国人とおぼしき若い女性が
店に入ってきた。店員とのやりとりから、彼女が聴覚障がい者で、
常連客か、あるいは店員の知り合いらしいことがわかった。


△「ヲタク」の記憶にもとづく店内図

彼女はレジ近く、「ヲタク」から見て右手のテーブルに座った。

しばらくすると、彼女が胸の前で忙しく両手を動かし始めた。

何をしているのだろうと気になって、それとなく見ると、彼女も
テーブルの上にスマホを横置きで斜めに立てていた。

彼女もスマホのビデオ通話機能を使い、画面に映し出される映像を
見ながら、誰かと夢中で手話通話をしていたのだ。

かくして、小さな店内で、しばらく年齢も国籍も文化も違う3人の
男女が、決して交わることのない同じ時間を過ごした。

目の前にはトンカツ。正面から聞こえてくるのはロシア語。右から
視界に入ってくるのは、忙しく動き続ける両手。

実に印象深いプサン駅前での一夜の出来事だった



(終わり)



参加カテゴリ:地域情報(アジア)


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