韓国紙に掲載される時事漫画は、なかなか奥が深い。
世相や新語はもちろん、韓国の歴史や文化を含む、総合的な幅広い
知識がないと理解できない。
正直、「ヲタク」の実力では、漫画を見ても即座に理解できない
内容が多い。
だからこそ、今の「ヲタク」にとって、韓国の時事漫画は、韓国語
学習と韓国社会理解を深める格好の「教材」になっている。
また、何より、時事漫画を通じ、韓国の知識層、と言えば大げさだが、
活字好きな人々の生(なま)の精神世界をのぞくことは、実に楽しい。
△大邱・毎日新聞(11月13日)
さて、以下は11月13日付大邱・毎日新聞の時事漫画を理解する
ための「ヲタク」の学習メモである。
①「전지적작가시점(全知的作家視点)」
英語で「The third-person omniscient point of view」などと
表現されている小説創作上の技法がある。
ここでは、仮に「3人称全知的視点」と訳しておく。
作者が、神のような全知的な視点で登場人物(3人称)の行動や
内面、周りの状況を描いていく技法で、「私」(1人称)の視点で
描かれることの多い日本の「私小説」とは対照的な技法である。
韓国語では、この技法について「전지적작가시점(全知的作家視点)」
なる、ある程度定まった用語がある。(韓国現代文学大事典より)
②「좌좀」
「좌파(左派)」と「좀비(ゾンビ)」の合成語で、いわゆる
「左翼」の蔑称。
少なくとも、この2つの言葉を知らないと、上の時事漫画を正確に
理解することはできない。
ムン政権発足後、過去およそ10年間続いた保守政権下における
政治腐敗の清算を求める国民の要求が高まりを見せている。
保守勢力から見れば、「左派」政権による「政治報復」という
ことになるが、例えば、李明博元大統領の不正疑惑追及を求める
世論は、韓国保守の牙城である大邱地域でも無視できない広がりを
見せているようだ。
(終わり)
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韓紙・時事漫画は教材
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