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韓国映画と情報機関

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年末以降、ノワール系を中心に50本を超える韓国映画を見てきて
思うことの一つが、韓国社会では自国の情報機関(現国家情報院、
旧KCIA)に対するイメージが非常に悪いということだ。

「国家安保」や「北の脅威」を口実に、様々なでっち上げ工作や
謀略をめぐらし、場合によっては、自国民の生命さえ平気で奪う
韓国の工作員が、映画には、しばしば登場する。

たとえば、2012年公開のヒット作「ランニングマン」で、主人公を
かくまった牧師を殺害したり、主人公の命をつけねらったのも、
韓国の国家情報院の要員たちだった。

例によって、最近の鑑賞作品のリストを記録しておく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■런닝맨  「ランニングマン」  2012年   〇〇〇--



偶然、ある殺人事件に巻き込まれ、軍事関係の重要機密を握って
しまったドジな中年男が、韓国の情報機関に命を狙われるハメに。

彼は、逃走を続けながら自らの潔白を証明するために悪戦苦闘する。

수상한 고객들 「怪しい顧客たち」 2011年  〇〇〇〇-



保険金詐欺が怪しまれる3人の顧客の生命保険を年金保険へ
切り替えさせようと、それぞれに切羽詰まった状況にある顧客を
訪ね歩くうち、彼らの人生に深く関わっていくことになる保険会社
社員の主人公。

紆余曲折の末、顧客たちは危機を脱し、恋人とよりを戻した主人公も
含め、皆がささやかな幸せと生きる希望を取り戻して行く。

さわやかなハッピーエンドで終わるヒューマンなコメディ映画で
あった。

■소원   「願い」  2013年   〇〇〇〇-



実際に起きた凶悪な性犯罪事件を題材に、被害児童と家族の苦しみや、
彼らが生きる希望を取り戻していくまでの様子を描いた社会派映画。

映画では、事件の舞台がプサン近郊の昌原に設定されていたので、
プサン方言に慣れ親しんでいる「ヲタク」が、より深く感情移入
してしまうことになった。

男性に恐怖を感じるようになった被害児童が父親にまで拒絶反応を
示すようになるが、着ぐるみ姿の父親に、再び心を開くシーンには
泣けた。

■브이아이피 「VIP」  2017年      〇〇〇--



米韓情報機関の保護下にある北朝鮮出身のVIP(父親が北の政府
有力者)は、過去、北朝鮮やロシア、韓国など数か国で猟奇的な
殺人を繰り返してきた殺人魔。

彼の犯罪は、その都度、北朝鮮の権力者や、彼を利用しようとする
各国の情報機関により隠蔽されてきた。

韓国の一人の諜報部員が、米韓情報機関の意向を無視し、ついに
VIPを香港で始末する。

미스 푸줏간   Miss Butcher  2017年   〇〇〇--



全身麻酔を施した女性患者を犯す医者。借金のかたに女性を売り
飛ばす闇金業者。そんな女性の敵ばかりを始末する殺し屋は、
美人の精肉店主。

彼女を愛した刑事は、事実をつきとめた後、職を辞し彼女の元へ。

どうせ映画なのである。こういう恋があったっていい。

■회사원    「ある会社員」  2012年  〇〇〇--



大切な人の命を奪った組織に対する壮絶な復讐劇。

지렁이    MY LITTLE BABY, JAYA   2017年  〇〇



一人娘をいじめ、犯し、自死に追い込んだ女子生徒3人、男子
生徒4人に対する、障がいを持つ父親の命をかけた復讐劇。

それにしても、脳性まひの障がい者が主人公になった復讐劇を
観るのは、今回が初めてだ。




(終わり)



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