あまり知られていない事実だが、韓国では子どもの海外養子縁組が
非常に活発である。(関連ブログ記事)
この週末、孤児院などから養子として海外に渡った韓国出身者を
描いた映画を2本見た。
2本とも非常に切ない内容の映画だった。
以下、鑑賞記録である。
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■여행자 「冬の小鳥」 2009年 〇〇〇--
(177)
9才(小学校3年生)の時に韓国の孤児院を通じ養子としてフランスに
渡った感受性の強い少女が、フランスで成人した後、映画監督となり、
韓国の孤児を主人公にした自伝的フィクション映画を撮った。
大好きだった父親と旅行に出たはずが、孤児院に置き去りにされた
現実を受け入れられず、絶望のあまり、孤児院の植木の影に穴を掘り
自分を埋め、消えてしまおうとする少女。
その少女が、希望を取り戻し、新しい家族の元へと旅立つまでの
日々を淡々と描いている。
■마이 파더 「マイ・ファーザー」 2007年 ----
(176)
1才の時に入所した韓国の孤児院から5才の時に養子としてアメリカに
渡り、成人後、在韓米軍の兵士として韓国で勤務していた時、テレビ
番組(2002年)を通じ実の両親を探した青年の実話を元に描いている。
父親と名乗り出た男は死刑囚(事実)。
後に遺伝子検査で青年と親子関係がないことが判明した(事実)。
それでも、青年は、名乗り出た男を父親と信じ続け(事実)、当時の
韓国メディアもこの映画も、「親子」の再会とその後の交際を美談
として描いている。(現在の状況は不明)
事実関係だけをつなげて考えれば、青年の、血のつながった肉親を
求める、悲しいまでに強い願望が読み取れるだけである。
あまりにも切なすぎる「美談」である。
(終わり)
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韓映画と海外養子問題
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