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韓国映画と国家犯罪

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あらためて、「ヲタク」が韓国映画にハマっている理由を考えてみた。

いろいろな言い方が可能だが、要は、どんなジャンルの映画であれ、
「ヲタク」の知らない韓国を見せてくれるから、という理由が一番
大きい。

もうしばらくは、韓国映画の魅力から離れられそうにない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■남영동
南営洞1985 ~国家暴力、22日間の記録~」 2012年  〇〇〇--
(204)



キム・グンテ議員の死後、氏の手記「南営洞」や関係者の証言などを
元に作られた、メッセージ性の強い映画。

1985年、軍事政権下の治安本部対共分室(ソウル南営洞)は、民主化
運動の活動家だったキム氏を22日間にわたり拘束し、残忍極まりない
拷問により「北朝鮮の指令を受け暴力革命を計画していた共産主義者」で
あることを「自白」させた。

眠らせない。食べさせない。全裸にした上で加える屈辱。殴るける。
肩関節の強制脱臼。全身を拘束した上での水攻め、唐辛子の粉末を
混ぜた液体攻め。電気ショック。気絶を繰り返しながら、延々と続く
拷問の数々。

「技術者」と呼ばれた拷問専門家を中心とした「工事」(拷問)は、
まさに生き地獄そのもの。

死の恐怖や無力感に押しつぶされた彼は、ついに降伏し、当局の作った
筋書や組織図を暗記させられ、「自白」する。

映画にはないが、彼は、その後の裁判で「自白」を覆し、拷問の
実態を告発するも、有罪となり約2年間服役している。

軍事政権時代の公安機関による工作活動(でっち上げ)や拷問全体
から見れば、氷山のほんの一角に過ぎない事件なのだろうが、
それでも、見る価値は十分にある映画だった。

■프리즌 「監獄の首領」 2017年   〇〇〇
(203)



2017年、290万を超える観客を動員した犯罪アクション(年間12位)。

刑務所に君臨する犯罪組織のボスに立ち向かう潜入捜査官の主人公。

刑務所長を抱き込んだ囚人たちが刑務所を自由に出入りし、確実な
アリバイが保証された中、一般社会で犯罪をくり返すなど、あり得ない
話だとは思いつつも、物語の展開にグイグイと引き込まれていった。

なかなか見ごたえのある映画だった。


(終わり)




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