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韓国映画と地域感情

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■위험한 상견례  「危険な相見礼」  2011年  〇〇〇〇-
(245)



2011年、250万を超える観客を動員したヒット作(年間9位)。

全羅道に住む漫画家の青年とプサンに住む女性が、遠距離恋愛の末、
周囲の「地域感情」(主に慶尚道住民が全羅道に向ける差別的な意識)を
融かし、結婚するまでの過程を描いた心温まるコメディ映画。


△釜山・国際市場を歩く漫画家と彼女の母親

ちなみに現代韓国語の「상견례(相見礼)」は、辞書的な意味から
少し離れ、結婚を前にした男女の「両家の顔合わせ」くらいを意味する
言葉になっている。

■한반도  「韓半島 -HANBANDO-」 2006年   〇----
(244)



2006年、330万を超える観客を動員した大ヒット作(年間4位)。

南北朝鮮の和解が進んだ近未来が舞台。



運転再開を目前に控えた京義線(ソウル-新義州を結ぶ鉄路)に対し、
日本が、過去、大韓帝国相手に結んだ協定(架空)を盾に所有権を
主張し、韓国政府に再開中断を求め、経済的、軍事的圧迫を加え
始める。


△南北首脳が参加した京義線開通式が日本の妨害で中断される

悪化する事態の中、韓国の領海に迫った日本の海上自衛隊と韓国海軍は、
一触即発のにらみ合い状態に入る。

日本と妥協しようとする政財界の動きが出てくる一方、大統領は
在野の史学者らの協力を得ながら、困難の末、ついに大韓帝国時代の
本物の国璽を探し当てる。

その国璽こそ、大韓帝国当時、日本と結んだ協定書の国璽がニセの
印であったことを証明し、協定書の効力を無効化してくれるもの
だった。

本物の国璽の出現を前に、日本政府は京義線に関する主張を引っ込め、
海上自衛隊に帰港を命じたばかりか、韓国民に対し、公式に過去の
過ちを謝罪し、賠償を約束して映画は終わる。

まるで質の悪い同人誌の漫画のような、何とも荒唐無稽な内容の映画で
あった。

ただし、この映画の冒頭にも出てきたように、竹島問題の表面化や
小泉首相の靖国神社公式参拝などに象徴される日本の戦前回帰的な
動きに対する強い反発が、この映画の制作や観客動員に大きな「力」を
与えた点については、しっかりと見ておく必要があるだろう。

ある意味で、この映画もまた、いびつな形での「日韓合作映画」なの
である。



(終わり)



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