■님아,그 강을 건너지 마오
「あなた、その川を渡らないで」 2014年 〇〇〇〇-
(288)
2014年、380万を超える観客を動員した異色のドキュメンタリー映画
(年間9位)。
江原道の中央部付近に位置する横城郡の山間地に住む、89歳の老女が
98歳の夫の最後を見取り、見送るまでの日々を記録している。
△江原道横城郡にある2人の家
2人が結婚したのは老女が14歳の時。
まじめな性格を買われた夫が、息子のなかった農家の入り婿となり、
以来、75年間、貧しい中にも2人で助け合いながら生きてきた。
△2人は2匹の犬を飼っている
下世話な話だが、老女の回想によれば、2人の実際の夫婦生活が始まった
のは、女性に気持ちの準備ができた17歳の時だった、とのこと。女性の
方から身をまかせたのだそうだ。
それまで、夫は耳や顔をやさしくなでてくれることはあっても、
無理やり夫婦関係を強いることはなかったそうだ。
子どもは12人できたが、そのうち6人は病気や戦争(朝鮮戦争)で
亡くしてしまった。
下着1枚買ってあげられなかった極貧生活の中で亡くした子どもたちに、
せめてあの世で会う時にはきれいな下着を着せてあげたいと、その時の
ために、老女が街で6枚のきれいな下着を買う場面では、目頭が熱く
なった。
無事、成人した子どもたちは、みな、都市部に出て暮らしている。
△夫のお墓を見ながらむせび泣く老女
映画のラストシーンでは、雪景色の中、夫の土饅頭(お墓)を
見ながら、まるで少女のような泣き声をあげて泣く老女の姿が、
ゆっくりと時間をかけ記録されていた。
その老女の泣き声が中高年「ヲタク」の胸を激しく掻きむしったのは、
書くまでもない。
(終わり)
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韓国映画と老女の泣声
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