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韓国映画と大邱の悲劇

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쇠파리   「ウシバエ(直訳)」 2017年   〇〇---
(322)

2017年に公開された、チョ・ヒパル事件を題材にした社会派映画。

韓国映画人協会大邱支部が、大邱市の支援を受け制作した異色の
社会派映画だ。

チョ・ヒパル事件とは、2004年から2008年までのおよそ4年の間に、
大邱・慶尚北道を中心に全国で総額4000億円とも5000億円とも
言われる被害を出した、韓国金融犯罪史上、最悪の事件である。

医療用マッサージ機のレンタル事業への投資という虚構のもうけ話を
エサにしたこの詐欺は、マルチ商法的な形態をとって庶民層に広がった
ため、その被害は単に金銭にとどまらず、親族や地域の人間関係を
破壊し、自殺者も多数出た。

この映画では、大邱に住む父親と姉が被害を受け、父親が自殺に
追い込まれた一人の青年を主人公にしている。

主人公は、事件をきっかけにソウルの職場で働きづらくなり、大邱に
もどり、亡き父親の青果店を継いだ。そして、現在もなお、被害者
団体の一員として、仲間とともに主犯の男を追い続けている。

決して事件を風化させてはならないという意思が伝わってくる映画
だった。



(終わり)


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