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韓国映画と老人と老牛

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■워낭소리  「牛の鈴音」 2009年  〇〇〇〇〇
(334)



2009年、慶尚北道の山村を舞台に老人と老牛の労働と生活の日々を
記録したドキュメンタリー映画。


△牛のあごにぶら下がった「워낭」(牛鈴)

290万を超える観客を動員したヒット作(年間8位)。



地味なドキュメンタリー作品としては、異例の大ヒットと言える。



この映画では、30年以上も老人といっしょに働いてきた老牛が、母屋
横の小さな牛舎で静かに死を迎えるまでの、1年と半年あまりの日々が
淡々と記録されている。



言葉では何とも表現が難しいが、限りある命の悲しみと尊さに
ついて、静かに訴えかけてくる映画だった。



「ヲタク」の実家でも、「ヲタク」が生まれた1960年代の初め頃まで
農耕に牛を使っていたと聞いている。

国が違うとは言え、農家の長男としても、実に感慨深く見させて
もらった映画である。

■26년  「26年」 2012年  〇〇〇--
(333)



2012年、290万を超える観客を動員したヒット作(年間11位)。

光州事件の犠牲者遺族のグループが、事件から26年後に、責任回避を
続けたままの当時の大統領を標的にテロを起こし、失敗するという、
何とも悲しくやり切れない物語だ。

折しも、光州事件から38年が過ぎた今年、韓国では、パク・クネ政権
退陣を求めたソウルの大規模デモに対し、戦車や空挺部隊の投入を
立案した韓国軍機務司(旧・保安司)の文書の存在が明るみに出て、
社会に大きな衝撃を与えた。

現在、ムン政府が、文書の性格をめぐる真相究明に着手したばかりだ。

光州事件の犠牲者や遺族の「恨(ハン)」が消える日は、まだまだ
遠いと言えそうだ。



(終わり)



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