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現代韓国の「小公女」

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■소공녀  「(直訳)小公女」 2018年   〇〇---
(404)



どんなに苦しい境遇の中にあっても、人としてのプライドと優しさを
忘れず、誠実に生きていれば、きっといいことがある、と子どもたちに
教えてくれる児童文学が「小公女」。

もし、現代の韓国社会に、そんな小公女のような女性が生きていたら、
どんな物語になるのだろうか?

一服の清涼剤のような物語を期待しつつ、鑑賞してみた映画だった。

結果、「ヲタク」の期待は肩透かしを食らった。

ソウルに住む主人公の女性は、家政婦の仕事で現金を稼ぎながら、
バーで飲むグラス1杯のウィスキーとタバコ、そして彼氏さえいれば、
後は何もいらないという無欲でユニークな生活を送っている。

実際、簡易アパートの狭い部屋には、テレビもなければ冷蔵庫も
洗濯機もない。

そんな彼女が、家賃の上がったアパートを出て、キャリーバックを
引きずりながら、寝床を求めて昔の友人たちの家を訪ね歩く。彼氏は
工場の寮に住んでいて、主人公を泊めることはできない。

主人公が訪ねる友人たちにしても、皆、それぞれに生活と事情があり、
快く主人公を泊めてあげれる状況にはない。



最終的に彼女がたどり着いた寝床は、ソウルを流れる漢江の河畔に
張った小さなキャンプ用テント。



現代韓国の「小公女」は、屋根裏部屋ではなく、河畔のテントという
Microhabitat」(映画の英語題名)に暮らしている、ということか。

彼氏は、借金を清算し彼女との結婚資金(アパートの入居保証金)を
稼ぐため、2年間の予定でサウジアラビアに出稼ぎに行った。

さて、主人公と彼氏に、どんな未来が待っているのだろう。

海外の映画祭などで高評価を得た映画ではあるが、「ヲタク」の趣向には
合わない映画だった。


(終わり)


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