■대관람차 「(直)大観覧車」 2018年 〇〇〇〇-
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2018年公開の新しいインディー映画。すでに複数の国際映画祭に
招かれ、上映されている。
△映画の舞台は「水の都」大阪(映画より)
主人公の韓国人会社員が出張で日本の大阪を訪れるが、ふとした
成り行きで、韓国の会社をやめることになってしまう。
彼は、大観覧車の見える大阪の下町で、川沿いにある小さな音楽バーを
経営する日本人らと知り合い、バーの片すみのソファをねぐらに、
しばらく大阪に滞在することになった。
彼も、大学時代、自分で曲を作るなどフォーク音楽をやっていたのだ。
△国際電話でパワハラ上司に退職を伝えた主人公(映画より)
大阪滞在のとりあえずの目的は、海難事故で行方不明になった会社の
先輩を探し出すことにあった。彼は、取引先の日本人と大阪でお酒を
飲んだ夜、ギターを背負って自転車をこぐ先輩(幻)の後ろ姿を確かに
見ていたのだ。
しかし、実際に彼が探し始めたのは、他ならぬ自分自身だった。
△ヒロインの日本人女性とギターの練習をする主人公(映画より)
会社をやめた彼に、知り合った日本人女性は言う。
「どこに行くかわからないレールを走る電車に乗っているよりも、
車でもいい、自転車でもいい、歩いてでもいい、自分の行きたい場所に
行く人生の方がずっといい」と。
そんな人生を生きるため、彼は、大阪の街で、「宇宙の迷子」(学生
時代のバンド名)ではなく、「宇宙の冒険者」(一時的に日本人女性と
組んだデュオ名)として再出発するきっかけをつかもうとする。
△ヒロインもまた動物園をやめ、死んだ像の故郷であるインドを訪れる決心をする(映画より)
「行きたい場所」は、韓国に戻ってから、焦らずゆっくり探して
行けばいい。
バーのマスターは言う。「大丈夫、大丈夫」。
△リサイクル工場でヒロインの父親に歌を聞かせる2人(映画より)
99%が日本語(ハングル字幕)で表現された珍しい韓国映画だったが、
主人公の韓国人風日本語による演技も実に自然で、助演の日本人たちの
演技もそこそこ説得力があった。
総じて、見ごたえのある、まじめな青春映画だった。
また、不思議なことに、この映画を見て、少しだけ大阪弁や大阪という
街が好きになった「ヲタク」である。
(終わり)
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日本語99%の韓国映画
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