■천화 「(直)遷化」 2018年 〇〇---
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2018年の全州国際映画祭で上映されたインディーズ映画。
済州島のキリスト教系老人ホームで介護士をしながら、韓国伝統の
薄布を使ったパッチワーク教室を開いている、独身の中高年女性が
主人公。
△女優、イ・イルファはプサン出身のアラフィフ美魔女女優(映画より)
映画の中では、彼女の日本語による独白が時折流れるが、彼女が
日本とどういう関係にあるのかは、最後まで謎のまま。
△意味もなく下着姿を披露する主人公(映画より)
その彼女と一人の痴呆老人との交流を軸に映画が展開される。
ただし、映画では、彼女と老人、さらに老人家族をめぐる事実関係に
ついて、何が真実で何が嘘なのか、全く判断できない混沌とした
世界が展開されるだけである。
一見、腹立たしいほどに無責任な映画である。
真実と嘘が同価値、つまり、真実も嘘も無価値で無意味なものとして、
しかも無秩序に存在する世界。
△主人公がなぜ日本語で独白するのか、は謎のまま(映画より)
認知症、あるいは精神疾患を生きる人間の精神世界の一端を、映画で
間接体験してみろ、とでも言いたいのか?
嘘も本当もない世界で、ただただ必死に自慰する老人の姿(映画には
窓の外を見ながら性器をしごく老人の姿が何度も出てくる)は、実に
みじめで醜悪なものではあったが、人間存在の核心に動物的本能が
あるのなら、それはそれで尊く美しい姿なのかもしれない。
いろいろ考えさせられる映画ではあったが、「ヲタク」の趣向には
全く合わない映画だった。
なお、この映画の題名「遷化」とは、「高僧の死」を意味する仏教用語
である。
(終わり)
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釜山出身の美魔女女優
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