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韓映画と工作員の包摂

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출국  「(直)出国」 2018年  〇〇〇--
(528)



2018年11月に公開された実録風の異色スパイ映画(現在上映中)。

国際情勢や国家の都合に翻弄される個人、そして家族の悲劇を描いた
秀作だ。

舞台は1970年代から80年代にかけての西ベルリン。


△映画の舞台は冷戦時代の西ベルリン(映画より)

留学先の西ドイツで韓国の民主化運動にかかわり、韓国に帰れなく
なってしまった(入国拒否)一人の若手経済学者が、母国に絶望し、
西ドイツに亡命する。

その後、「北朝鮮で彼の論文が高い評価を受け、大学や国家経済
研究所での高い地位が保障される」という誘いかけが決定打となり、
彼は北朝鮮の工作員に包摂され、家族と共に北に入国する。

しかし、実際に北の当局が彼に与えた任務は、西ドイツで韓国人を
包摂する工作(スパイ)活動。

騙されたことに気付いた彼は、工作員をやめようとするが、家族を
北から連れ出すことには失敗し、結局、家族は離れ離れになって
しまう。

2018年現在、彼は韓国に、そして彼と同じく韓国出身の妻と娘2人は
北朝鮮で暮らしている。

大幅な脚色が加えられている映画だが、実話を元に作られた映画だけ
あって、緊迫感のある物語の展開に、すっかり引き込まれてしまった。




(終わり)


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