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韓映画と中国人気小説

■허삼관  「いつか家族に」 2015年 〇〇〇〇-
(708)

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2015年に公開され、95万を超える観客を動員した家族ドラマ。

原作は、中国の人気作家、余華の「血を売る男(原題=許三観売血記)」。

家族が危機に陥るたびに自分の血を売ってお金を工面し、家族を
救う、貧しいお菓子(韓国風ポップコーン)売りの父親が主人公。

時代背景は朝鮮戦争休戦後の1950年代。

この映画に描かれている父親は決してヒーローでもなければ人格者
でもない。それどころか、逆に心が狭く底意地の悪い男である。

そんな彼が、いくら妻から止められようが、愛する妻や子どもたちの
ためなら、当たり前のように血を売る。

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特に、血のつながらない長男には露骨なまでに冷たく接してきた
狭量な彼が、脳炎にかかった長男の治療費を工面するため、自分の
命を危険にさらすほど大量に血を売って回る姿は、痛々しい
ながらも実に感動的なシーンであった。

愛憎の絡み合う家族像をコミカルに、それでいて温かい視線で
描いた映画であった。


(終わり)


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