韓映画でシュールな不倫

■나홀로 휴가 「１人のバカンス」 2016年　〇〇〇〇－
（９６５）



2016年に公開されたブラックでシュールな不倫
ドラマ。

主人公の男は、飲料水の販売会社で管理職を務め、
職場では家庭的な男で通っている妻子ある中年男。

写真撮影という、ちょっとオシャレな趣味も
持っている（愛機はキャノン）。


△男は望遠レンズも持っている（映画より）

一見、非の打ちどころのない男ではあるが、彼には
人に知られてはならない裏の顔があった。

男は、取引先のヨガ教室で知り合ったインストラク
ターの若い女性と不倫関係にあったのだ。

男は、趣味の写真撮影を隠れ蓑に、休暇のたびに
旅行をしては女性との甘い密会を重ねていた。

（ニコン派の「ヲタク」ではあるが、不倫の
隠れ蓑に写真撮影を使うなど、全く関心できない。）


△男は不倫関係にあった若い女に10年間も粘着している（映画より）

やがて、女性はお見合い結婚をし、男の元を
離れるが、それでも男は女性に対する執着を
捨てきれず、追いかけ続ける。


△彼女の新婚旅行ではホテルの隣室で酔いつぶれた男（映画より）

女性の新婚旅行では、わざわざ同じホテルの
隣の部屋に泊まり、嫉妬に身もだえしながら
酔いつぶれた。

おまけに、彼がベランダで吐いた嘔吐（おうと）
物は、彼女の部屋のベランダにまで流れ込んで行き、
新婚夫婦の楽しい時間に汚いケチをつけた。

笑うに笑えない話である。

その後も、趣味の写真撮影を口実に1人旅に
出かけては、彼女の家族旅行をつけ回し、こっそり
彼女を撮り続けた。


△彼女家族は屋外でバーベキュー、男は屋内でこっそり1人焼肉（映画より）

全く無様（ぶざま）で病的な粘着ぶりである。


△彼女の夫は、当然、妻と男の関係を知らない（映画より）

ある時は、鍵が開いたままになっていた女性の
アパートに忍び込んだ。

明らかな犯罪行為である。

そして、彼女家族の不意の帰宅にあわてた男は
タンスの中に隠れ込んだまま、出るに出れなく
なってしまい、タンスの中で丸一晩を過ごした
こともあった。


△タンスに隠れた男は、タンスの中でまさかの失禁（映画より）

一方、全く不可解なことには、薄々、男の常軌を
逸した行為に気が付いていながらも、男を、本気で
切り捨てることができない女性がいた。


△タンスの中でスマホを使い職場や家庭と連絡を取り合う男（映画より）

結局は、世にも奇妙な、1組の男女の倒錯した
愛の形を描いた映画、ということになるの
だろうか。

それにしても、ここまで無様でシュールで、かつ
陰に籠（こも）った男女の愛を描いた映画も珍しい。

どぎつい映画には慣れているはずの「ヲタク」も、
この物語の展開には、すっかり引き込まれてしまった。

恐るべし！韓国映画、である。


（終わり）