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韓国映画と刑務所物語

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범털   「監獄番長」 〇〇---
(1092)



2020年に公開された異色の社会派アクション。

主人公は、ある刑務所で受刑者のボス的な存在の
人物。腕力が強い上に人情に厚く、受刑者らから
頼りにされている。シャバでは、小さな暴力組織の
ヒョンニム(親分)をしていた。

「범털(虎毛)」とは、主人公のような大物受刑者を
意味する刑務所内の隠語。


△映画の舞台は某刑務所(映画より)

その主人公が懲役生活を送っている刑務所に、新しく
巨大暴力組織の悪徳ボスが収監される。

悪徳ボスは有力政治家とコネもあり、刑務官や
受刑者を買収し、刑務所を恐怖支配しようと
したが、主人公らがその悪だくみを打ち砕いた。

ただし、悪徳ボスは、刑務所を支配することには
失敗したが、裁判ではコネとお金に物を言わせ、
晴れて逆転無罪を「勝ち取り」、早々と刑務所を
出て行った。

ナンセンスと言えばナンセンスだが、社会の矛盾を
ついた、なかなか見ごたえのある映画だった。


△中華料理店の配達夫をしていた実直な青年<右>(映画より)

この映画で印象に残ったのは、脇役ではあるが、
主人公と同じ雑居房に入ってきた新入りの青年。

彼は、中華料理店の配達夫(店主の息子)。

店の立ち退きを要求し父親に暴力を振うヤクザ
たち(ビル所有者が雇った「用役」)に、厨房の
包丁を突きつけ抵抗したため警察に逮捕され、
収監された。

内心、彼がチャジャン麺(韓国式ジャージャー麺)を
配達するシーンを期待しながら、注意深く映画を
見進めて行ったのだが、結局、そういうシーンを
目にすることはなかった。

チャジャン麺のシーンが出てきそうで出てこない。
そんな韓国映画だってある、という話だ。


(終わり)


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