■황무지 5월의 고해 「荒野 5月の懺悔」
2020年10月に公開された社会派作品。
光州事件(1980年5月)から40年目の節目にあたる
今年、1980年代に制作された2本の歴史的話題作が
復刻され、1本の作品にまとめられた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〇칸트씨의 발표회 「カントさんの発表会」 1987年
(1252) 〇〇〇〇-
韓国で初めて光州事件をテーマに描いた短編映画。
光州事件に抗議する民主化デモで逮捕され、拷問に
より精神に異常をきたしてしまった男が主人公。
「カントさん」とは、主人公が毎日、規則正しく
街中を徘徊していることから(ドイツの哲学者
カントにちなみ)付けられたあだ名。
映画は、彼に興味を持った1人の写真作家が、彼の
徘徊に同行しながら、彼の真実を解き明かしていく
形で展開する。
△1人の写真家が彼に同行しつつ、彼の悲劇を知る<映画より>
カントさんは、最後に警察官の頬を強くビンタし、
連行されてしまう。
時の権力に大切な人の命を奪われ、自らの心まで
破壊されてしまった彼の姿を通じて、独裁政権の
罪深さを告発した作品と言える。
〇황무지「荒野」 1988年 〇〇〇〇〇
(1253)
軍当局により上映が禁止され、原作フィルムが押収
されたままになっている作品。本作品は、ベータ版
ビデオテープを映画として復刻したもの。
物語の舞台は全羅北道の群山。
△米兵専用の風俗街で働く人々<映画より>
在韓米軍基地近くの「基地村」(米兵専用の歓楽街)で、
身分を隠したままクラブで働くようになった1人の青年が
主人公。彼はカトリック信者で洗礼名は金ミカエル。
彼は、光州事件で戒厳軍の一員として心ならずも
住民虐殺に加わった後、罪の意識から逃げるように
軍から逃亡した脱走兵だった。
△彼が世話になったペドロ(韓国人男性)は不良米兵に殺された<映画より>
そんな彼が、基地村でそれぞれに事情を抱えた
苦しい生活の中でも明日を信じ、懸命に生きる人々と
心を通わせながら、あらためて自分の犯した罪の
重さに苦悩を深めていく。
△光州事件の被害者墓地で焼身自殺を遂げた主人公<映画より>
そして最後に、彼は街の教会で神父に自分の罪を
懺悔(ざんげ)した後、光州の犠牲者墓地を訪れ、
無念の魂たちに赦しを乞いながら焼身自殺を遂げる。
無辜(むこ)の市民に銃弾を撃ち込んだ彼もまた、
犠牲者だったのだ。
衝撃的な結末には驚かされたが、総じて非常に
見ごたえのある作品だった。
「ヲタク」自身、犠牲者たちの無念の魂に対し、
あらためて、ここに謹んで哀悼の誠を捧げたいと
思う。
合掌
(終わり)
2020年10月に公開された社会派作品。
光州事件(1980年5月)から40年目の節目にあたる
今年、1980年代に制作された2本の歴史的話題作が
復刻され、1本の作品にまとめられた。
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〇칸트씨의 발표회 「カントさんの発表会」 1987年
(1252) 〇〇〇〇-
韓国で初めて光州事件をテーマに描いた短編映画。
光州事件に抗議する民主化デモで逮捕され、拷問に
より精神に異常をきたしてしまった男が主人公。
「カントさん」とは、主人公が毎日、規則正しく
街中を徘徊していることから(ドイツの哲学者
カントにちなみ)付けられたあだ名。
映画は、彼に興味を持った1人の写真作家が、彼の
徘徊に同行しながら、彼の真実を解き明かしていく
形で展開する。
△1人の写真家が彼に同行しつつ、彼の悲劇を知る<映画より>
カントさんは、最後に警察官の頬を強くビンタし、
連行されてしまう。
時の権力に大切な人の命を奪われ、自らの心まで
破壊されてしまった彼の姿を通じて、独裁政権の
罪深さを告発した作品と言える。
〇황무지「荒野」 1988年 〇〇〇〇〇
(1253)
軍当局により上映が禁止され、原作フィルムが押収
されたままになっている作品。本作品は、ベータ版
ビデオテープを映画として復刻したもの。
物語の舞台は全羅北道の群山。
△米兵専用の風俗街で働く人々<映画より>
在韓米軍基地近くの「基地村」(米兵専用の歓楽街)で、
身分を隠したままクラブで働くようになった1人の青年が
主人公。彼はカトリック信者で洗礼名は金ミカエル。
彼は、光州事件で戒厳軍の一員として心ならずも
住民虐殺に加わった後、罪の意識から逃げるように
軍から逃亡した脱走兵だった。
△彼が世話になったペドロ(韓国人男性)は不良米兵に殺された<映画より>
そんな彼が、基地村でそれぞれに事情を抱えた
苦しい生活の中でも明日を信じ、懸命に生きる人々と
心を通わせながら、あらためて自分の犯した罪の
重さに苦悩を深めていく。
△光州事件の被害者墓地で焼身自殺を遂げた主人公<映画より>
そして最後に、彼は街の教会で神父に自分の罪を
懺悔(ざんげ)した後、光州の犠牲者墓地を訪れ、
無念の魂たちに赦しを乞いながら焼身自殺を遂げる。
無辜(むこ)の市民に銃弾を撃ち込んだ彼もまた、
犠牲者だったのだ。
衝撃的な結末には驚かされたが、総じて非常に
見ごたえのある作品だった。
「ヲタク」自身、犠牲者たちの無念の魂に対し、
あらためて、ここに謹んで哀悼の誠を捧げたいと
思う。
合掌
(終わり)