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越語独学者の落とし穴

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一念発起、この夏からベトナム語を学び始めたブログ主。目下、初級者
向けのテキストを使った基礎固めの学習を、1人で陰気に進めている
ところだ。

ベトナム語では単語の最後に来る「k」を「p」と発音する場合もある
ことに気づき、ベトナム語の学習も決して平坦なものではないことを
痛感させられたのが、つい先日のことだった(※関連記事)。

あらためて強調するようなことでもないが、決して子音を軽視しては
いけない。私たちが当たり前のように使っている日本語だって、ちっちゃな
「っ」がどれほど大きな役割を果たしているか考えてみると、よくわかる。

ところで、今回はベトナム語の子音「ng」の話だ。

ベトナム語では単語の最後に来る、この「ng」を「m」と発音する
場合がある。「k」の場合と同じく、これにも、ちゃんと法則があるので、
それをきちっと学び、努力さえすれば、ベトナム人の発音に近づける
ことは十分に可能だ。

しかし、現在、ブログ主が使っている初級のベトナム語テキストでは、
そのことをちゃんと教えてくれない。

例えば、ベトナム語で「会社」を意味する、漢越語の「公司」。

この単語のベトナム語発音を強いてカタカナで書くとするなら、
「コム ティー」と書くのが適切なところに、堂々と「コン ティー」と
フリガナが振ってある。


△「コン ティー」ではなく「コム ティー」が適切

このテキストでは2種類の「ng」を区別することなく、全ての「ng」に
「ン」のフリガナを振っているのだ。

さらに、韓国のネイバーが提供しているベトナム語辞典でさえも、この
「ng」の読み方については、ブログ主が確認した限り、全ての単語で
スペル通りの「ㅇ」(ング)を当てている。


△「꽁띠」ではなく「꼼 띠」が適切(ネイバー越韓辞典

こと発音に関しては、ネイバーのベトナム語辞典も、正確さに欠けて
いる、ということだ。

おそらく、ベトナム語に限らず、外国語の独学者には、いたるところに
落とし穴が待ち受けている。

ベトナム語を独学し始めたブログ主の場合、本来、信頼すべきテキスト
(日本人向け)や辞典(韓国人向け)でさえもが、学習者が落とし穴に
落ちるように、むしろ仕向けている。

とんでもない話である。

外国語学習では、初期の段階で発音におかしなクセがつくと、後々、
修正するのに、本来不必要な努力が必要になってくる。外国語の独学者に
とって、初期ほど重要な時期はない。反面教師としての「落とし穴」の
存在に神経をとがらせながら、それを避ける努力をするしかないのだ。

さいわい、現代はIT化の時代。インターネットさえ活用できれば、大概の
外国語で、いくらでもネイティブの正確な発音に接することができる。

ある意味、時代は独学者を応援してくれているのだ。

後は、どこに隠れているかわからない「落とし穴」に用心しながら、
コツコツ学び続けて行くしかないだろう。


(終わり)

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