イソップ寓話「狼と羊飼い」に登場するオオカミ少年は、
日本でも有名だ。
日ごろからうそばかりついていると信用を失ってしまい、
いざという時、本当のことを言っても誰にも信じて
もらえなくなるという話だ。
△「オレに対する皮肉か?」
ただ、この場合、日本では一般に、オオカミ少年の
つくうそは、あくまで「オオカミが出た」という類
(たぐい)の人騒がせなうそでなくてはならない。
つまり、日本で言う「オオカミ少年」のうそは、一般に
そのうそによって大勢の人が驚き、騒ぎが起きる
ような性質のうそに限られている。
「ヲタク」がわざわざこんな日本語の「常識」を
再確認したのには、ちゃんとした理由がある。
例によって韓国語では、オオカミ少年を意味する
「양치기소년」(羊飼いの少年)は、あくまで、繰り返し
うそをついたため、いざという時に誰からも信じて
もらえず大切な羊(財産)を失ったという側面にのみ
重点が置かれており、少年のついたうその性質に、
特に限定された意味はない。
単純に言ってしまえば、韓国語で言う「オオカミ
少年」とは、単なる大うそつきの代名詞だ。
このことは、「ヲタク」が、古里(コリ)原発第1号機の
再稼動に関する韓国紙の記事をきっかけに
学んだことだ。
古里原発とは、プサン近郊に位置する原子力発電所で、
最近相次いだ電気系統の事故により、稼動が中断されて
いた原発だ。
ここでは、CBSノーカットニュースの関連記事を、あえて
直訳調に翻訳練習させてもらった。
読者の皆さんにも、日本語と韓国語における「オオカミ
少年」の意味のズレから生じる大きな「違和感」を
実感してもらえることだろう。
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■"양치기 소년?" 고리 1호기 재가동 소식에
부산시민 '불안'
「韓電はオオカミ少年?」 古里原発1号機再稼動の
報道にプサン市民「不安」
(CBSノーカットニュース 7月5日)
・안전 장담하던 원전에서 잇따른 사고소식에 '불신',
중고납품 비리 등도 영향
・安全を強調していた原発で相次ぐ事故に「不信」、
中古部品納入をめぐる汚職事件も影響
-略-
수영구에 사는 윤영희(51)씨는 "안전하다고 장담
하면서도 사고소식이 계속 들려 오니 신뢰가
가지 않는다"며 "동화책 양치기 소년이 생각난다.
자기들이 아무리 안전하다고 해도 마음이 불안한
것은 어쩔 수 없다"고 한숨을 쉬었다.
釜山市スヨン区に住むある女性(51)は、「安全だ
安全だと言っているが、事故のニュースが繰り返し
聞こえてくるので信頼できない。童話に出てくる
オオカミ少年を思い出してしまう。韓国電力がいくら
安全だと言っても、不安が消えないのはどうしようも
ない」とため息をもらした。
-以下省略-
△「私、どちらかと言えば、
よくうそをつく中年男が好みです。
うふふ」
(終わり)