日本ではあまり知られていない史実だが、13世紀のユーラシア大陸で
漢民族の王朝(南宋)を始め十か国以上を滅ぼし自らの領土とした
モンゴル帝国が、抵抗の激しかった朝鮮半島の高麗王朝については、
「부마국(駙馬国=ふばこく)」として服属させることで妥協した。
ここで言う「駙馬国」とは、モンゴルの皇女を王妃に迎えモンゴル
皇帝の「婿」となった高麗王が治める国という意味で、高麗王朝が
モンゴル帝国に服属した高麗中期以降、高麗王を囲む女性は、
実母にしろ王妃にしろ王太子妃にしろ、基本的に皆、モンゴル帝国
(元朝)の元皇女だったことを意味する。
13世紀から14世紀中盤にかけての約80年間に及ぶこの「駙馬国」
支配を通じ、王室を中心に高麗の支配層は、限りなくモンゴル化して
いった。
「ヲタク」は、この時期のモンゴルの朝鮮半島支配のなごりが、後の
朝鮮王朝時代にモンゴルのパスパ文字の影響を受け創造されたハングル
文字(1446年公布)だと考えている(ガリ・レッドヤード説)。
一方で、その高麗王朝時代に、モンゴル軍が済州島に持ち込んだのが、
大量のモンゴル馬だった。
高麗王朝がモンゴルに服属して以降、済州島はモンゴル軍の軍馬の
生産拠点となった。
△夏季の放牧シーズンを迎えた済州馬(4月13日付環境日報より)
現在、そのモンゴル馬の血統を引く済州馬は、韓国の天然記念物として
大事に保護・飼育されている。
韓国語学習者なら、一見、何の関係もないように見える済州馬と
ハングルが、モンゴル帝国を一つの結節点として、歴史の糸で
つながっていることくらい、知っておいたほうがよい。
ここでは、放牧が始まった済州馬について報じたニュース1の
フォトニュースを翻訳練習させてもらった。
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■올해 첫 방목지로 나온 제주마
放牧場に放たれた済州馬
(ニュース1 4月13日)
13일 천연기념물인 제주마들이 제주시 용강동 제주마방목지에 올해
처음으로 방목되고 있다. 동절기 피해를 예방하기 위해 지난해 11월부터
월동 관리하던 제주마 84마리를 이날 방목했다. 방목은 오는 10월까지다.
13日、天然記念物の済州馬が済州市の済州馬放牧場に、今年初めて
放たれた。冬季の健康被害を防ぐため昨年11月から厩舎で越冬管理
されていた済州馬84匹が、同日放牧された。放牧は10月までの予定。
(終わり)