外国語の方言を日本語に訳すのは至難(しなん)の業だ。意味を
伝えるだけなら簡単な話だが、問題はそのニュアンスだ。
得(え)てして無教養で下品なイメージと結び付けられることの
多い方言ではあるが、標準語のように国家による庇護を受けて
いないだけで、言語の持つ価値としては、本来、標準語も方言も
等しく尊い。
さて、大邱(慶尚北道)の地域紙、毎日新聞に掲載された次の風刺
漫画である。
△(大邱)毎日新聞 6月15日
使われている言葉は慶尚道方言。
「ヲタク」は、この方言をあえて博多弁(なんちゃってレベル)に
訳してみた。
「ヲタク」は博多で暮らした経験があるとは言え、もともと北九州
地方の郡部出身なので、博多弁は母語ではなく、聞いて理解できる
くらいのレベルだ。
しかし、最近、全国レベルでも、カワイイ方言として脚光を浴びて
いる(?)博多弁なら、この風刺漫画に登場している老女の方言の
ニュアンスが、うまく伝わるのではないかと考えたのだ。
個人的には、実にうまい訳だと、一人悦(えつ)に入った福岡県人の
「ヲタク」であった。
△「久しぶりに曜水の曲を聴いて
涙ぐむのはやめてっちゃ...。」
△「用水ちゆったらくさ、この歌しか
なかろうや」
△「洋水ちゆうたら、やっぱ、この曲ばい」
(終わり)
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慶尚道方言を博多弁に
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