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韓国映画とクジラの悲劇

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■해적   「パイレーツ」 2014年    〇〇〇--



2014年、860万を超える観客を動員した大ヒット作(年間2位)。

朝鮮王朝建国の時代を背景にした空想アクション時代劇。

明から下賜(かし)された朝鮮国の国璽を飲み込んだクジラを追う
海賊や山賊たちの活躍を描いた映画。


△国璽を飲み込んだクジラ(上)

ただ、「ヲタク」には、人間よりも影の主役であるクジラの方が
強く印象に残った。


△海賊の女頭領が網にからまったクジラを助けたシーン

子どもの頃、網にからまったところを主役である海賊の女頭領に
助けてもらったことを覚えていたクジラは、悪役海賊との争いに敗れ
死にかけた女頭領と仲間の山賊の命を救い、恩返しをする。


△悪役海賊の船に向かって突進する母クジラ

しかし、悪役海賊に捕まった子クジラを助けようとして、海賊船に
決死の体当たりをした母クジラは、悪役の思惑通り、多数の砲弾を
受け死んでしまう。



その時のクジラの悲し気な目が、何とも印象的だった。



その後、子クジラは悪役海賊を破った女頭領に救われ、母クジラの
亡骸(なきがら)は海に返され、国璽とともに深い海の底に沈んで
いった。

国璽に強くこだわる李成桂(朝鮮王朝の初代王)に対し、元部下だった
山賊の頭領は、母クジラの話をもとに、李成桂に改心を迫る。


△李成桂に刀を突きつけ改心を迫る主人公の山賊

한낱 미물인 고래도 자기 새끼를 살리기 위해 목숨을 바치는데
어찌 왕이라는 자가 그깟 명나라가 준 국새를 찾자고 백성을 희생
시킨단 말이오.
「単なる動物にすぎないクジラでも、我が子を助けるために自分の
命まで投げ出すのに、どうして、王という者が、たかが明から
もらったにすぎない国璽を探そうと多くの民を犠牲にするのか。」

山賊の言葉に打たれ心を入れ替えた李成桂は、民の役に立つ立派な
王朝を建国していく。

母クジラを殺さないハッピーエンドなら、「ヲタク」の満足感は
さらに高くなっていたはずだ。



(終わり)


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