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韓国映画と山間僻地

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■집으로  「おばあちゃんの家」 2002年  〇〇〇〇-
(259)



2002年、150万を超える観客を動員したヒット作(年間5位)。

一人親である母親の職探しの関係で、一夏を山奥にある母親の実家で
過ごすことになったソウルの少年と一人暮らしの祖母との心の交流を
描いている。

主役の老女をはじめ、ほとんどの登場人物が撮影地の住民という
ユニークな作品であり、「大鐘賞」では最優秀作品賞を受賞した。


△コネスト地図より

母親の実家である、その「おばあちゃんの家」は、忠清北道栄同郡の
奥深い山の谷間にある。

慶尚道(金泉市)との関係が深いのだろうか。住民の話す言葉は
慶尚道方言である。



一人暮らしの祖母の家に初めて連れてこられた少年は、しばらく、
聴覚障がい者で腰の悪い祖母に対して、虐待まがいの仕打ちを加える。

祖母のことを「汚い」とののしるばかりか、差別的な悪態を投げつけ
たり、祖母の靴やかんざしを隠したりと、見る側が怒りを感じる
レベルの意地悪を続ける。


△祖母の家は映画のセット

しかし、山間地での厳しくものどかな2人の暮らしの中で、少年は、
自分にそそがれる祖母の愛情に気づかされ、徐々に変わっていく。


△実際の集落

やがて、少年は、祖母の手話のような手のしぐさも理解できるまで
2人の心は通い合った。

そして、最後の別れのシーン。

少年はバスの後部座席から身を乗り出すようにして、祖母に向かって
自分の胸を手のひらでさすりながら、「ごめんなさい(そしてありが
とう)」と伝えた。



それは、少年が祖母から学んだ、気持ちを伝えるしぐさだった。

中高年の「ヲタク」の心も温まった映画であった。


(終わり)



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