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韓国映画と事件と創作

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■섬.사라진 사람들 「奴隷の島、消えた人々」 2016年 〇----
(282)



韓国映画には、社会的に関心を集めた事件や事故を題材にした映画が
非常に多い。

この映画も、2014年に韓国社会を揺るがした、全羅道の島嶼部の
塩田における障がい者奴隷労働事件に触発され、制作された社会派
映画だ。

ただし、この映画では、塩田で知的障がい者に奴隷労働を強いていた
実際の事件を元に、サスペンスを創作している。

連続殺人犯(架空)が、1人の障がい者をつれ、島に渡り、障がい者を
殺した後(変死体として処理)、その障がい者になりすまし、島で
潜伏生活を送っていた、という設定になっていた。

そして、テレビ局の女性記者とカメラマンが、島での奴隷労働の
実態をあばいて行く過程で、偶然、一人の障がい者(連続殺人犯)の
秘密に突き当たってしまう。

結果的に、秘密を暴かれたくない殺人犯が、カメラマン他数人を
殺害し、記者は一命を取りとめるものの意識不明の重体に陥る。

一旦は、塩田経営者の息子が父親や関係者を殺害し、自死したもの
として処理されかけた殺人事件だが、記者の意識が回復し、事件は
真相解明へと向かう。

それにしても、実際の事件を元に、ここまで現実とかけ離れた物語を
創作していいものだろうか?

そんな疑問さえ湧いてくる作品であった。

実際の事件では、消極的とは言え、障がい者の境遇に同情した一部の
島民の協力があって、事件が明るみに出て解決に向かったという経過が
あったはずだ。

もっと違った角度から事件に切り込む創作があっても、よかったの
ではないだろうか。



(終わり)



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