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韓国映画と脱北女性

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뷰티풀데이즈  「(直)ビューティフル・デイズ」 2018年 〇〇〇〇-
(527)



2018年、釜山国際映画祭のオープニング作品として上映された
インディーズ映画(現在、上映中)。

女優イ・ナヨンがノーギャラで主人公を演じたことも注目を集めた。

北朝鮮で身寄りを失った10代の少女が中国に脱北し、朝鮮族の
農家に嫁ぐ。そこで、誠実な夫に愛されながら、小さな幸せを手に
入れるかに見えた。

しかし、朝鮮族の悪徳ブローカーは、農家が払った紹介料とは別に、
ありもしない彼女の前借金を口実に、彼女にまとわりつき、食い物に
しようとする。

ブローカーは、幼い子どもをネタに彼女を脅迫し、彼女は子どもを
守るため男についていく。


△子どもを売って借金を返せと迫るブローカーに抵抗する主人公(映画より)

彼女を連れ戻しに行った夫は、ブローカーを襲い、ブローカーは
意識を失う。意識を回復しかけたブローカーを、思わず手にかけて
しまった彼女は、夫と息子を中国に残したまま、逃げるように
韓国に渡った。

そして、韓国の夜の街で働きながら、中国の家族に仕送りを続ける。

彼女の渡韓から14年後、病魔に犯された夫は、大学生になった一人
息子(夫との血のつながりはない)を彼女の元に送り、最初で最後と
なる中国への里帰りを要請する。

中国への里帰りから数年。彼女は韓国で出会った誠実な男(慶尚道
方言を話す)と新しい家庭を持ち、中国の息子とも連絡を取り合い
ながら、やっと、穏やかな日常を手に入れる。


△彼女が20数年かけ、やっと手に入れた平凡で穏やかな日常(映画より)

映画は、中国の貿易会社で働く息子が、夫と下の息子と3人で暮らす
母親を韓国に訪ね、いっしょに食卓を囲むシーンで終わる。

なお、息子は、当初、母親の過去を全く知らず、母親に対して
怨みに近い感情しか持っていなかったが、母親の歩んできた過酷な
過去や自分への愛情を知り、心から母親を受け入れた。

見る者の心に深い余韻を残す、なかなか見ごたえのある映画で
あった。



(終わり)


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