■후쿠오카 「Fukuoka」 〇〇〇--
(1188)
2020年に公開されたインディーズ系のドラマ。中国
朝鮮族の張律監督がメガホンを取った韓国映画だ。
28年前の恋を引きずって生きる50代の韓国人男性
2人と、韓国語しかしゃべれないのに日本人や中国人と
意思疎通できる不思議な女性の3人が主人公。
△映画のオープニングシーンより
仲のいい先輩後輩の関係にあった2人の男は、ソウル
での学生時代に福岡市出身で在日韓国人の1人の
女子留学生と同時に恋に落ちた。
2人の男と同時に恋をした女性は、2人の男の狭間で
苦しんだ末、結局、1人を選ぶことができないまま、
大学を辞め、2人の前から姿を消した。
映画に彼女の姿は一切、登場せず、3人の会話で
語られるだけだった。
女性が去った後、2人の男は交際を絶った。
そして現在、先輩は彼女の面影を追いながら、福岡市で
小さな居酒屋を経営し、後輩は密かに彼女との再会を
待ちながら、彼女の大好きだった大学近くの古本屋を
経営している。
△福岡市で小さな居酒屋を営む先輩を訪ねた後輩と不思議な女性<映画より>
そんな2人が、不思議な女性に導かれるように、
福岡市で28年ぶりに再会し、和解を果たす。
▲先輩の居酒屋<映画より>▼福岡市中央区西中洲に実在する居酒屋<グーグルマップより>
もしかすると、不思議な若い女性は、2人が恋した在日
韓国人女性の化身だったのかもしれない...。
いずれにしろ、「ヲタク」の趣向には合わず、感情移入も
難しい映画だった。
ただし、映画の題名も舞台も福岡(市)であったことから、
福岡県在住の「ヲタク」が強い親近感を抱かざるをえない
作品だった。
△3人が橋を渡るシーンでは2台の西鉄バスが通り過ぎた<映画より>
それにしても、この映画を通じて、福岡の街を走る
西鉄バスの存在感の大きさに、あらためて気づかされた。
△右手のバスに、かすかに「Nishitetsu」のロゴマークが見える<映画より>
この映画で、最も強く「ヲタク」心を刺激したのは、
福岡市の街並みではなく、その街の中を颯爽と走り抜ける
西鉄バスの姿だった。
<追記>
全く個人的な話ながら、この映画は「ヲタク」に、
学生時代の甘酸っぱい片思いの記憶を呼び起こして
くれた。
30年以上も前の話だ。
当時、福岡市内の大学に進学した「ヲタク」は、
岡山県出身の一つ年上の女性に一目ぼれをして
しまった(「ヲタク」は現役、彼女は1浪で入学)。
教養科目の「朝鮮語」(1年後期、2年前期)を受講
したのも、彼女の影響だった。
隣に座った記憶はないが、彼女と同じ西鉄バスに
乗った記憶は確かにある。
キャンパスの出口から西鉄バスの停留所まで、
50メートルほどを一度だけ相合傘で歩けたのが、
彼女との最高の思い出だ(キャンパスもバス停も、
今はもう存在しない)。
「ヲタク」を韓国語(朝鮮語)との出会いに導いて
くれた直接的なきっかけは、間違いなく彼女だった。
ただ、直接、誘われたわけではなく、「朝鮮語を
取る」という彼女の会話を偶然、耳にしただけの
話ではあったが…。
決して認めたくはないが、「ヲタク」もまた、学生
時代に恋した(片思い)1人の女性の面影を、ずっと
引きずりながら、韓国語(朝鮮語)とともに年を
重ねて来たのかもしれない。
もしそうなら、「ヲタク」に、この映画に登場した
2人の男を憐れむ資格などない。
(終わり)
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韓国映画のFukuoka
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