8月2日午前12時過ぎ、「ヲタク」は、ロンドンオリンピック
柔道競技の男子90kg級決勝を、韓国の衛星放送を
通じ観戦した。
△決勝戦を戦う韓国人選手とキューバ人選手
日本のテレビ局は、日本人選手が出場した3位決定戦を
最後に、中継を柔道から他競技に切り替えた。
致し方のないところだろう。
△韓国のソン・デナム(송대남)選手
そこで、決勝戦が見たかった「ヲタク」は、自分の部屋に
移動し、スカイライフ(韓国の衛星放送)の映る旧式の
小型テレビで観戦するしかなかったわけだ。
準々決勝で日本人選手を破った韓国人選手が
決勝にまで駒を進めていたので、韓国のテレビ局
(KBS1)は、当然、決勝戦の模様を生中継した。
韓国人選手とキューバ人選手との間で戦われた決勝は、
延長戦までもつれた末、小内刈り(안뒤축걸기)で
技あり(절반)を決めた韓国人選手が劇的な勝利を収めた。
△優勝したソン・デナム選手
優勝した韓国人選手は、階級変更やひざの手術を乗り越え、
33歳にして初めてオリンピック出場の切符を手にした
執念のベテラン選手だった。
肉体を激しく酷使する柔道で、けがの不安を抱えながら、
しかも30歳を過ぎても、なお、現役選手として夢を
追い続けることなど、並大抵の精神力ではできないことだ。
完全に彼に感情移入していた柔道好きの韓国「ヲタク」は、
彼の優勝を心から喜んだ。
もっとも、「ヲタク」が一番望んでいたのは、日本人選手の
優勝ではあったが・・・。
△「ちょっと屈折してるんじゃないか?」
△「だから、私はちょっと屈折したくらいの
中年男が素敵だと思いますッ」
(終わり)
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執念の韓国人柔道家
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