たとえヨーロッパの有名クラブで活躍するサッカー選手で
あろうがメジャーリーガーであろうが、韓国人のプロスポーツ
選手が兵役免除の特例措置を手に入れるためには、
オリンピックで銅メダル以上を取るか、アジア大会で
金メダルを取るしかない。
世界選手権やワールドカップ、あるいは野球のWBCなど
他の国際大会での成績は兵役免除の対象とはならない。
プロスポーツ選手にとって20代における2年近くの
兵役は、技量面での停滞のみならず、少なくとも2年間の
年俸を棒に振ることを意味し、その経済的な損失は大きい。
もっとも、2年間という時間の持つ貴重さは一般の青年に
とっても同じだ。
訓練や兵営生活の厳しさという面では一般の青年の方が、
むしろ負担は重いとも言えるので、何もプロスポーツ選手
のみが現代韓国政治の「不条理」を一身に背負っている
わけではない。
韓国サッカー界を代表するストライカーであるパク・チュヨン
選手(27・英プレミアリーグ所属)が、モナコ公国の
長期滞在権を取得することで、海外永住権保持者に
準ずる扱いを受け、韓国に年間60日以上滞在しない限り、
韓国での兵役(公益勤務)義務が30代後半にまで
延期されたことに対して、韓国世論が厳しい批判の目を
向けたのも無理のない話だった。
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現地時間の8月10日、ロンドンオリンピックの男子
(23歳以下)サッカー競技3位決定戦で、パク・チュヨン
選手がオーバーエイジ枠3人の1人として参加する
韓国チームが、日本チームと対決した。
中継を担当したKBSはこの対決を「사상최고의 한일전
(史上最高の韓日戦)」と銘打った。
この試合で韓国チームが勝てば銅メダルを獲得し、
予選リーグも含め「1分以上」試合に出場した選手らは
全員、兵役免除の対象となる。
これまでの活躍から韓国で「日本キラー」と呼ばれて
いるパク選手が、この試合でやらなければならない
ことは、はっきりしていた。
韓国時間では8月11日未明という時間帯にもかかわらず、
例によって多くの韓国民がテレビを通じ、また、全国各地に
用意された特設会場で、この特別な日韓戦を見守った。
その前半38分、パク選手は追いすがる4人の日本選手を
かわし、電光石火の見事な先制ゴールを決めた。
試合終了後、ある韓国メディア(「マックスムービー」)は、
このシュートをあからさまに「병역면제포(兵役免除砲)」と
表現した。
結局、2−0で日本に勝利したその試合で、パク選手と
ク・ジャチョル選手(ドイツリーグ)の2人の欧州組が決めた
2本のゴールは、韓国サッカーに史上初のオリンピック
メダルをもたらすと同時に、代表メンバー18人全員を
兵役義務から「解放」するシュートとなった。
日本チームを応援していた「ヲタク」は韓国チームの
勝利を喜ぶことはできなかったが、想像を絶する
プレッシャーを物ともせず、気迫溢れるプレーで、見事、
オリンピック銅メダルを獲得し、兵役免除を自らの手で
つかみ取った韓国イレブン(18人)に対しては、心から
祝福したいと思う。
今後、多くの選手には、日本やヨーロッパを舞台に
安心して精一杯、自分の可能性を追求して行って
ほしいものである。
ここでは、ハンギョレ新聞から関連報道の一部を翻訳
練習させてもらった。
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■‘일본킬러’ 박주영, 결승골로 명예회복
「日本キラー」 パク・チュヨン、決勝ゴールで名誉回復
(ハンギョレ新聞 8月11日)
−略−
병역특례 혜택을 받게된 박주영의 표정은 편해
보였다. 박주영은 “한국에 사상 첫 메달을 안긴 것도
기쁘지만 무엇보다도 기분이 좋은 것은 선수들에게
새로운 기회가 생겼다는 것”이라고 목소리를 높였다.
兵役免除を受けることになったパク・チュヨン選手は
ほっとしたような表情を浮かべていた。彼は、「韓国の
サッカーが史上初のオリンピックメダルを取ったのも
うれしいが、一番うれしいのは、選手たちに新しい
チャンスが生まれたことだ」と高揚した口調で語った。
병역특례 혜택으로 선수들이 전성기 때 자신의
기량을 더 펼칠 수 있고, 발전할 수 있는 기회를
잡게 됐다는 뜻이다. 물론, 본인의 병역특례도
더할 나위 없이 기쁘다.
兵役が免除されることにより、それぞれの選手たちが
全盛期に技量をさらに高めることができ、発展して行ける
チャンスをつかんだという意味だ。もちろん、彼自身の
喜びもこの上なく大きい。
박주영은 “후배 선수들이 나에게 고맙다고 하는
것은, 말이 안 되고 내가 후배 선수들에게
고맙다”고 말했다.
パク選手は、「後輩たちが僕にお礼を言うのは
とんでもない話で、むしろ僕の方が後輩たちに
感謝している」と語った。
박주영은 “광저우 아시아경기대회에서 어린 선수
들과 함께 생활하면서 서로 믿고 의지하는 모습에
감동을 받았다”며 “홍명보 감독님이 불러주셔서
주저 없이 다시 뛰었고 선수들의 믿음이 결실을
봐서 기쁘다”고 말했다.
パク選手は続けて、「2010年の広州アジア大会
(※韓国は3位)で若いメンバーたちといっしょに
生活しながら、お互いが信頼し助け合う姿を見て
感動した。ホン・ミョンボ監督が僕をこのチームに呼んで
くれた時には、何のためらいもなく再び合流した。
メンバーの信頼関係が実を結ぶことができて本当に
うれしい」と語った。
−以下省略−
△「兵役の話になると、決まって
『二等兵の手紙』を聞きながら
涙ぐむ中年男って・・・、
やっぱり素敵ですよね。うふ」
△「そんなことより、いい年して
巨耳で売り出し中のアイドル歌手に
関心を持つなんて・・・、
恥ずかしくはないのか!」
(終わり)