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70年代の不条理と映画

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■효자동 이발사  「大統領の理髪師」 2004年 〇〇〇〇-
(420)



2004年公開の映画。

大統領府近くの町で散髪屋をやっていた縁で大統領の理髪師に抜擢
された男の目を通じ、70年代の独裁政治の不条理を描いた異色の
ブラックコメディー。

題名から70年代の韓国や大統領個人を懐古趣味的に美化した映画かと
思いきや、「ヲタク」の予想は見事に外れた。


△一見、楽しげに電気で拷問される理髪師の息子(映画より)

小学校に通う理髪師の息子が、下痢をしただけで北のスパイとの
接触を疑われ、逮捕されてしまう。

彼が、電気による「拷問」の末、下半身不随になってしまう場面は、
コメディタッチとは言え、非常に痛々しかった。


△1960年代、出会ったころの主人公と妻

なお、主人公の妻は、若いころ、田舎(慶尚道と推測される)から
上京し、主人公の店で見習いをしていた。


△いやらしい目つき(?)で見習い女性を見る主人公

その時、主人公から無理やり(?)妊娠させられ、しかたなく結婚を
承諾した過去を持つ。女性の人権など一顧だにされなかった時代の
話である。



朴正熙政権(慶尚北道出身者閥)の性質上、大統領府に出入りする
理髪師の妻は、やはり、慶尚道方言を話していた。

脚色の多い映画とは言え、70年代の不条理の中を生き抜いた庶民の
哀歓が、うまく表現された映画である。



(終わり)



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