12月12日未明、韓国インチョン市沖の海上で、韓国の
海洋警察(日本の海上保安庁に相当)の隊員が、取り締まりに
あたった不法操業の中国漁船の船員に刃物で刺され
死亡するという、大変、痛ましい事件が起きた。
事件翌日の今日、韓国に連行された船員らの取り調べも
進み、事件の概要がほぼ明らかになる中、韓国社会の
関心もこの事件に集中しているものと思いきや、ネイバーの
ニュース・アクセスランキングを確認して、かなり驚いた。
何と、総合(全体)ランキングの上位50位以内には、関連
記事が1本も入っていないではないか。
△13日夜現在、ネイバーニュース・アクセスランキング「総合」より
しかも、信じられないことに、ランキング上位(7位)には、
事件とは全く無関係の中国関連の記事までランクインしていた。
記事の内容は、中国の大学周辺で男女混浴の銭湯が増えて
いる、という、何とも脳天気なものだった。
△13日夜現在、ネイバーニュース・アクセスランキング「政治」より
それもそのはず、「政治」ジャンルでも、同事件関連の記事は、
最高でかろうじて4位にランクインしている状況だった。
もし、日本の海上保安庁の隊員と中国や韓国の漁船との
間で同じような事件が起きたとすれば・・・。
そう考えると、いくらネット上のアクセスランキングだとは
言え、にわかには信じられないくらいの韓国社会の
「冷静さ」(関心の低さ)である。
時折り死傷者も出るほど激烈な韓国国内のデモやスト
(とその鎮圧)の状況や、砲弾が飛び交うこともある厳しい
南北対立の現実の中で、もしかすると、「力」と「力」が激突
する現場での人命被害に対して、日本社会とは比較になら
ないくらいに強くて悲しい「免疫」が韓国社会にはあるのかも
しれない・・・。
ネットニュースのアクセスランキングに現れた韓国世論の
「冷静さ」(関心の低さ)を前に、現時点では、そう自分を
納得させてみるしかなかった「ヲタク」である。
なお、同事件で犠牲となった40代の隊員の無念さや
遺族の憤(いきどお)りを思うと、安易にご冥福を祈る気持ち
にもなれないが、それでも、この場を借り、謹んで哀悼の意を
表したいと思う。
(終わり)
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隊員の死と韓国の関心
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