今日、車を運転しながら聞いていた韓国のラジオ(KBS)で、
「현주소(現住所)」なる韓国語を耳にした。
この単語自体は、韓国語の中級学習者なら知っておく
べきレベルの、ごくごく一般的な韓国語である。
ただ、例によって「ヲタク」は、この単語の韓国語的
使用法についてしばらく思いを巡らせ、この単語の持つ
現代韓国語的な性格にあらためて思いを馳せ、そして、
一人悦(えつ)に入った。
帰宅してから、念のため、デジタル化された朝鮮王朝実録で
検索し確認してみたが、約500年にわたって記録され続けた
朝鮮王朝実録の膨大なる漢文記録の中で、「現住所」なる
漢字語はただの一度も使用されていない。
おそらく、この「現住所」なる漢字語は、近代日本語が
まず日本語として一般化させ、そして朝鮮半島(朝鮮語)に
持ち込んだ漢字語の一つである。
現在、その「現住所」なる近代日本語由来の漢字語が、
現代韓国語の中で新しく「現状」程度の意味を付与され、
日本語の「現住所」とは全く違った用法で当たり前の
ように多用されている。
△「現状」の意味で多用される韓国語の「現住所」(ネイバーニュースより)
この「현주소(現住所)」なる漢字語は、案外、韓国語の
現状(「現住所」)を物語る象徴的な単語なのかもしれない。
ちなみに現代中国語では、「住所」のことを一般に
「住址」と言い表し、日韓の漢字使用法とはかなり
異なっている。
(終わり)
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韓国語の現住所
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